有機性廃棄物の適正処理について、
および当手法の位置づけについて

有機性廃棄物の適正処理について、
および当手法の位置づけについて


1.「バイオマスの利活用」は「R3」でいう「リサイクル」に該当します。

2.しかし、「有機性廃棄物の適正な処理、適正な物質循環」という視点からすると、「リサイクル」は1手段に過ぎません。

3.社会背景から追って行くと、その必要性は次の問題に直面していることから生じています。

〇環境問題

・地球温暖化ガスの発生(および国際社会に対しての発生抑制義務)
・埋立処分場の限界(日本国土面積および地形上の問題)

〇コスト問題

・焼却施設・埋立処分場の莫大な建設費・維持管理費
・原油価格の高騰

4.また、「有機性廃棄物の適正な処理、適正な物質循環」の目的は、

〇地球温暖化ガスの発生抑制

〇埋立処分場の延命化(現処分場の残余容量・年数、新設処分場の総許容量確保)

〇処理処分コストの削減

にあります。


5.そして、これらの問題や課題(テーマ)、目的等は、現行行われている「焼却処理」、「埋立処分」の量に大きく関係しており、 その量を減量していくことに解決や達成の根本的カギがあると思われます。

6.さらに、「焼却処分」、「埋立処分」の量を減らすためには「焼かない」「埋めない」手段・手法を模索していかなければなりません。
その手段・手法として「3R」があり、またその1つとして「リサイクル」があるのです。

7.「有機性廃棄物の適正な処理、適正な物質循環」というテーマから見た場合「リサイクル」は目的ではなく1手段です。
「もったいない」という貴重な日本人気質から「リサイクル」思考が大きく盛り上がっていくのは素晴らしいことではありますが、手段が目的となってしまっては本末転倒といえます。

8.私共が提案しているのは「微生物活動による気化分解(減容)」であり、無機分以外は大気中還元し消滅してしまう手法であり、リサイクルはしません。 ある意味、処理と処分(蓄積する無機分を処分)を兼ねた手法です。

9.もちろん、すべてを気化分解(減容処分)することを提案するわけではありません。
リサイクルの代表例といえる堆肥化についても需要がある分については堆肥化すべきです。

10.しかし、肥料・堆肥は使用されてはじめてリサイクルされたことになりますが、現実問題として農家需要は少ないと思われます(安全性・風評被害等から)。
使用されなければ経費をかけた挙句の二次的廃棄物の生産になってしまいます。
また、農家に売れないからと言って農産物も作らない草地・林地への散布は環境に配慮した適正手法とは言い難いと思われます(特に重金属を多く含むもの)。

11.また、「有機性廃棄物の適正な処理、適正な物質循環」に向けた手法は危機管理上、1手法のみではなく、リスクヘッジとして複数あるべきだと考えます。

12.堆肥として需要のない分が見込まれる場合、その分については気化分解(減容処分)することが有用な手法の候補であるとして提案させていただきます。

〇光合成菌による硫黄化合物・アンモニアの発生抑制

SY菌には光合成菌が含まれ、菌床中にはこの光合成菌が増殖している。
光合成菌は通性嫌気性微生物で好気性条件下でも生き耐えぬくが、嫌気性条件下で活動を活発化する。

光合成菌は炭酸ガスを炭素供給源に、硫化水素、その他硫黄化合物を電子供与体として利用し光合成を行い、
また、アンモニアを利用し、合成してアミノ酸を経てタンパク質・核酸等に代謝し増殖する。

〇C/N(炭素窒素比)によるアンモニア発生抑制

畜糞の堆肥化の際のアンモニア発生について、一般に
「堆肥菌床のC/Nが高いほどアンモニア発生が少なくなる」
ことが分かっている

堆肥づくりの場合アンモニア発生に考慮して炭素分の多い木材チップを副資材とすることにより、 C/Nを30~40に設定して臭気を抑える。

当処理に使用する菌床は堆肥作りと異なり、炭素分の多い木材チップやわら類が主体で C/Nは圧倒的に高い。
仮に母材は木材チップ(C/N 500)62.5%、わら類(C/N 70)37.5%とすると、 C/Nは340という設定になる。

さらに、菌床体積は有機性廃棄物の投入量に対し100倍以上と圧倒的に多く、C/Nはこの投入に ほとんど影響を受けない。

なお、より微生物が分解しやすく、C/Nを上げる炭素材として植物系油(不飽和脂肪酸)を使用 する場合もある。



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